カナダ発のパズルゲーム『Grumz』のデザイナーを直撃!アプリ時代の『パックマン』を目指すmomo氏の温故知新とは・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第39回 | GameBusiness.jp

カナダ発のパズルゲーム『Grumz』のデザイナーを直撃!アプリ時代の『パックマン』を目指すmomo氏の温故知新とは・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第39回

今回は、旧東欧圏を中心に9カ国のストラテジージャンルで1位を獲得したこともある注目のパズルゲーム『Grumz』のデザイナー、momo氏を直撃。同作開発の経緯やゲームデザイン、そして彼自身のゲームに対する想いなどを存分に語っていただきました。

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カナダ発のパズルゲーム『Grumz』のデザイナーを直撃!アプリ時代の『パックマン』を目指すmomo氏の温故知新とは・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第39回
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今回は、旧東欧圏を中心に9カ国のストラテジージャンルで1位を獲得したこともある注目のパズルゲーム『Grumz』のデザイナー、momo氏を直撃。同作開発の経緯やゲームデザイン、そして彼自身のゲームに対する想いなどを存分に語っていただきました。最初に『Grumz』について説明しましょう。『Grumz』とは「止める」ことをコンセプトとしたシンプルなデザインと奥深いゲーム性を掛け合わせたアクションパズルゲーム。以下、簡単にゲーム内容を説明しましょう。

プレイヤーはエネルギーによって感光しながら常に縦方向に往復しているポリゴン球体を自機とします。

プレイヤーは、両サイドから画面中央へと迫る様々なオブジェを、避け、可能な限り縦方向に往復することでポイントを稼ぎます。自機は画面上のどこをタッチしても自機の動きを止めることが出来、画面から指を放すことで動きを再開することが出来ます。


なお、CまたはCの一部の形状をしたオブジェはパワーアップ用オブジェ。これを吸収することでポリゴン球体はしばらく無敵になります。


プレイヤーはこれらをうまく使って、縦方向に往復し可能な限りポイントを稼ぐのが目的です。

このゲームを開発したのはカナダ、トロントのPicnic Game Labs。今回はスタジオトップ兼ゲームデザイナーのmomoさんにお話を伺いました!

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

――ゲーム開発に携わることになったきっかけは?

momo:ゲームに対する情熱を維持してきたからな。ゲームというメディアは、独特の可能性や没頭感を与えてくれるんだ。驚くべきなのは、ゲームは常に進化を続けながらもゲームデザインやプレイの基本的なところは歴史的に繋がっているという点さ。僕はこれまで美術のインスタレーションをベースにゲームをデザインすることを追及してきたんだ。でもそろそろたくさんの人たちに楽しんでもらえるゲームもつくりたいとも感じるようになったから、Picnic Game Labsを立ち上げたんだ。スタジオを設立することで、新しいコンセプトを生み出して世界のひとたちにインスピレーションを与えたかった。スタジオの全メンバーもすごくやる気と情熱を持っているよ。

『Street Fighter 3rd Strike』からもインスピレーションを!『Grumz』のシンプルながらストイックなゲームシステム



――『Grumz』を発想したきっかけを教えてください。

momo:『Grumz』は現在開発中の別のプロジェクトをデザインしているときにインスピレーションを受けたんだ。最も大きくインスピレーションを受けたのは「ミニマリズム」の発想かな。ゲームプレイの深みを感じさせながらどれだけ最小限のアクションをデザインできるか。僕はアイデアとして斬新なものを提案するには、指とインプットデバイスの間で生じる「タッチ」というインタラクションの触覚性を再検討する必要があると思ったんだ。

そこで、自機が常に動く中、それを自由に止めたり動かしたり出来れば何か面白いプレイが達成できるのではと考えたんだ。これが出来ればプレイヤーのインプットという物理的なインタラクションに対して新たな触覚性とリズム感覚を生み出すことが出来る。止めてその動きを再開させるというアクションは、なんでも反射的にリアクションするのではなく時にはリスクがあるのを承知で自機を解き放たなければならないということを探求し受け入れるようになる。これは、プレイのうえにすごくパワフルな選択とドラマを生み出すことになるのさ。

あとコンセプトの構成を練っていた最中に『Street Fighter 3rd Strike』をかなりやりこんでいたんだ。あのゲームはトッププレイヤーになるためにはちょっとしたニュアンスや自己コントロールが必要なんだ。名作だよ。もしかしたら、潜在意識の中でこういったゲーム性にインスピレーションを受けていたかもしれない。特に『Grumz』が追及したミニマリズム的な部分で。ゲームとしてはジャンルが全く違うけど、どんな人が触っても直感的に理解できるものにしたかったんだ。

――プロジェクトの開始はいつ、何人で始めましたか?

momo: 最初は5人からのスタートだったよ。僕にくわえArnaud, Ben, Erik, Dylanさ。

何人かは大学からの仲間、あとは、トロントでおこなわれた音楽とインタラクティブ・アートシーン交流の中で出会ったよ。一番最近出合った仲間は、モントリオールで開催されたゲームサミット、MIGS15のときさ。みな、クリエイティヴィティ、パッション、スキルをもっているよ。僕が『Grumz』のコンセプトマニュアルと最新βをもっていって見せたら、是非一緒に参加したいって言ってくれたのさ。もともと『Grumz』のゲーム・メカニクスに独自性があったからみんな商品としてどうなるか見てみたかったみたいなんだ。ゲームのコア・コンセプトは紙の企画書の段階からみんな面白そうって感じてくれてね。

その後、音楽担当のKarimが加わった。開発中にKarimがつくった音楽を入れてゲームをプレイしてみたんだ。そのとき一発で彼のつくった音楽と僕らのゲームの間に素晴らしい調和が生み出しているのが分かったんだ。そこで最終リリースまでに彼の音楽トラックが追加された。開発自体は2014年からはじまりアンドロイド版がリリースされたのは12月末。そしてiOS版のリリースが今年の1月下旬にリリースされたばかりさ。
《中村彰憲》

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