エンタテインメントの未来を考える会・大賞 2015年度は『スプラトゥーン』『ねこあつめ』『グラブル』決定・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第52回 | GameBusiness.jp

エンタテインメントの未来を考える会・大賞 2015年度は『スプラトゥーン』『ねこあつめ』『グラブル』決定・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第52回

フェイスブックを中心に私が管理人として展開しているコミュニティ「エンタテインメントの未来を考える会」はゲーム、映像、音楽などのエンタメ系コンテンツやデバイスのあるべき未来を考えるスレッドとして2012年にスタートしました。

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エンタテインメントの未来を考える会・大賞 2015年度は『スプラトゥーン』『ねこあつめ』『グラブル』決定・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第52回
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フェイスブックを中心に私が管理人として展開しているコミュニティ「エンタテインメントの未来を考える会」はゲーム、映像、音楽などのエンタメ系コンテンツやデバイスのあるべき未来を考えるスレッドとして2012年にスタートしました。

すでに開催から3年以上が経過し、コミュニティのメンバー数も4980人(3月末日現在)に達しました。
(※ご興味のあるかたはフェイスブックにて「エンタテインメントの未来を考える会」を検索ください)

さて、毎年、この会と私個人が企画、運営、開催を行っている「黒川塾」にて「エンタテインメントの未来を考える会・大賞」というものを選定しています。こちらも3年(度)目になります。今回もまた、昨年度(2015年)を振り返って、その年を象徴したコンテンツやデバイスなどに「大賞」を決定するというものです。

今年は3月18日に開催することができました。

今回の有識者ゲストは昨年に続き、「週刊ファミ通」編集長・林克彦氏、朝日インタラクティブ「CNET Japan」編集記者・佐藤和也氏、そして今年初めて登壇が実現したリインフォース代表取締役、「電ファミニコゲーマー」編集長・平信一氏、ナイル「GameDeets」編集長・辻英之氏の4名をお招きし、お話を伺うことができました。そして会場に御来場いただきましたお客様からのご意見をお聞きすることができました。

その結果、「スプラトゥーン」、「ねこあつめ」、「グランブルーファンタジー」が2015年度「エンタテインメントの未来を考える会」大賞コンテンツとなりました。

それぞれの受賞理由ですが・・・

スプラトゥーン」(任天堂株式会社)
家庭用ゲーム市場に関してはスマホゲームの台頭ともにやや陰りが見えた一年でしたが、それらを払しょくする要素を持ったゲームの本来の面白さを再認識することのできた素晴らしい作品です。多人数対戦型のゲーム性を幅広いユーザーに訴求し、熱中させたこと、またコンテンツの認知促進のため、全国規模のゲーム大会の運営や、その告知関連を兼ねたツイッターなどのSNS的なコミュニティ運営まで総合的にコンテンツを盛り上げることに成功した素晴らしい展開を行ったこと、それらを総合して大賞として評価しました。

ねこあつめ」(株式会社ヒットポイント)
シンプルなゲームシステムでありながらも、プレイヤーを熱狂させる仕組みを取り入れ、幅広いユーザー層から支持を受けている点や、飽きさせることのないコンテンツを開発し演出したことにより大賞と評価しました。また、ファン待望の「リアルねこあつめ」企画を展開したことや、魅力的なキャラクターによりコンテンツ単体でも商品化を始め幅広い展開が実現しコンテンツパブリッシャーとして大きな可能性を感じました。

グランブルーファンタジー」(株式会社Cygames)
魅力的なゲームシステムやストーリー、キャラクターなどの正統派ゲームの世界観や演出を用いながらも誰もが遊びやすいロールプレイングゲームとして真摯に開発していることを大賞として評価いたしました。純粋な開発姿勢でエンタテインメントコンテンツに取り込んでいることにより、幅広いユーザーへの訴求の可能性がさらに広がるコンテンツという評価に至りました。

以上の選定理由で決定をいたしました。

もちろん、VR系デバイスも昨年同様に話題になりましたが、実際には今年中に多くのデバイスがロンチされることもあり、今年一年の評価を、改めて来年に考察してみたいと思いました。

全般的な傾向としては、スマホゲームは家庭用ゲームと比較しても遜色がないほどに進化したことにより開発費が高騰しました。つまりエントリーできるパブリッシャーも徐々に限られてきているのではないかということです。

一方で「スマホ疲れ」のような現象もあり、その中で「ねこあつめ」は癒しと素朴さがウケた理由かもしれません。そのほかには「モンスターストライク」や「あんさんぶるスターズ!」が話題になりました。

「グランブルーファンタジー」はガチャ課金などの課題がありましたが、いつの時代にもお金を使うユーザーはいます。実際に私がNHNJapan(当時)在職時に部署で運営をしていた「プロ野球 ファミスタオンライン」(サービスは2014年2月に終了)では、月初めになると個人(一人)で1000万円くらいの金額規模でカードを購入する顧客がいました。その個人によって、売り上げの動向が左右されることがあり、その顧客が自身の意思で購入していました。

もちろんガチャ確率設定のわかりにくさ、優位誤認などの指摘も鼎談のなかではありましたが、ゲームそのものの魅力は大きく損なわれるものではありません。
今年から来年はVR、そしてeスポーツがさらに躍進するのではないでしょうか。トレンドの波の大小はありますが、ゲームビジネスが持つダイナミズムは常にユーザーを惹きつけて止みません。


■著者紹介

黒川文雄
くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHNjapan(現LINE・NHN Playartにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。黒川塾主宰。「ANA747 FOREVER」「ATARI GAME OVER」(映像作品)「アルテイル」「円環のパンデミカ」他コンテンツプロデュース作多数。
《黒川文雄》

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