ゲーム運営プランナーだからこそ伸びる3つのスキルと、そこから広がる2つのキャリア | GameBusiness.jp

ゲーム運営プランナーだからこそ伸びる3つのスキルと、そこから広がる2つのキャリア

DeNA Games Tokyo(以下DGT)の山口恭平です。今回はゲーム運営プランナーのキャリアについて、お伝えさせていただきます。DGTのキャリア形成を例にしてお話しますが、その前にまずはDGTのゲーム運営スタイルについて説明させてください。

人材育成 キャリア
ゲーム運営プランナーだからこそ伸びる3つのスキルと、そこから広がる2つのキャリア
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DeNA Games Tokyo(以下DGT)の山口恭平です。今回はゲーム運営プランナーのキャリアについて、お伝えさせていただきます。DGTのキャリア形成を例にしてお話しますが、その前にまずはDGTのゲーム運営スタイルについて説明させてください。

DGTのゲーム運営スタイル

DGTのゲーム運営スタイルの特徴は大きく分けて2つあります。それは「挑戦とフィードバックの多さ」と「ボトムアップのゲーム運営スタイル」です。

まず、「挑戦とフィードバックの多さ」ですが、ゲーム運営プランナーは、毎月何かしらの企画を世の中に送り出しているため、圧倒的な回数の挑戦が経験できます。そして、送り出したものが本当に良いものだったのか、定性/定量の両面から振り返っています。結果だけではなく、企画段階からリリースまでの業務フローを振り返り、次回の企画に生かす。毎月このPDCAを回し続けています。(詳細はこちらhttps://www.gamebusiness.jp/article/2017/09/25/13489.html)

「ボトムアップのゲーム運営スタイル」は、書いて字のごとくです。なぜこの運営スタイルになったかというと、DGTやDeNAグループの文化によるところが大きいかと思います。まず、DeNAグループは、仕事をする上で最大限のパフォーマンスを発揮するために、全社員に持ってほしい共通の姿勢や意識として「DeNA Quality」という行動規範を掲げています。

DeNA Qualityの1つである「全力コミット」が、DGTの文化を作った大きな基盤になっています。全力コミットは「球の表面積を担うプロフェッショナルとしてチームの目標に向けて全力を尽くす」という意味です。その中の「球の表面積」という言葉は、球体はどこから見ても真正面であり、向き合う相手にとって、会社の代表は自分なんだ、といった思いが込められています。だからこそDGTは階層の組織ではなく、フラットな組織であるべきだと考えているのです。


また、DGTは、プレイヤーに価値を届け続けるために、面白いものを作るには、「誰が考えたか」は重要ではなく、「何を提供するか」を大切にしています。そのため、チームに入ったばかりのメンバーも自分の意見を発信することが必要です。

この2つの運営スタイルがあるからこそ、スキルを伸ばしていけると考えています。

DGTで伸ばせる3つのスキル

まず、DGTのプランナーはどのスキルが伸ばせるのかといいますと、
(1)プレイヤー志向
(2)思考力
(3)意思決定力
の3つかと考えています。


(1)プレイヤー志向
プレイヤー目線で、プレイヤーが何を求めているのか、どう感じているのかを捉えるスキルです。

ゲーム運営側の自己満足で終わるのではなく、さまざまな観点を持ってプレイヤーを理解することが必要になります。そのためにDGTでは

・自分がプレイヤーになる(プレイすることは大事)
・定量/定性両面においてプレイヤーの分析をする
・毎月、プレイヤーにインタビューを実施し、生の意見を聞く

といった取り組みをしています。DGTが担当するタイトルは世の中に公開されているもの。何万人ものプレイヤーが遊んでくれているので、プレイヤーを知る機会は多い環境だと思います。

(2)思考力
DGTでは、プロデューサーやディレクターだけがゲームの面白さを考えるのではなく、プランナー全員に対して考えを求めます。何万人というプレイヤーの面白さを実現させるために、プレイヤーがいつから遊んでいるのか、一日にどのくらい遊んでいるのか、求めているのは交流なのかバトルなのか、といったプレイヤーごとに大きく異なる楽しみ方を考慮します。日々遊んでくれているプレイヤーに対して、「なんとなくそう思ったから」という考えでゲーム運営することはできません。どの観点から見るのか、という指標はもちろん、思考の幅や深さが必要になります。

DGTのプランナーには、答えがない問いに対して考えて意見を持ち、その考えを伝えることが日常的に求められるのです。だからこそ思考力が磨かれます。

(3)意思決定力
「全プレイヤーに面白い企画」は、ゲーム運営にはないでしょう。また、届ける企画を2つまで絞ったとしても、どちらがプレイヤーに喜んでもらえるか、明確に判断を付けられることは少ないです。企画の面白さの比率が51:49という均衡した状況で、どちらにするか意思決定しなければならないことがほとんどだと思います。そんな中でもDGTのプランナーは、多くの情報や検討を踏まえて、最後は自分の意思で決めることが求められます。

DGTはボトムアップのゲーム運営スタイルで、フィードバックの機会が多い環境です。プランナーはプレイヤーのことを理解し、プレイヤーに対しての面白さを考え尽くし、意思決定をする。この繰り返しにより、プランナーのスキルは伸びていくと考えています。

ゲーム運営プランナーの2つのキャリア

3つのスキルを伸ばすことで、プランナーは2つの方向性、
(1)ゲームプランナーのキャリア
(2)マネジメントのキャリア
でキャリアを築いていけると思います。

(1)ゲームプランナーとしてのキャリア
3つのスキルを伸ばしていくことで、より難易度の高い企画ができるようになるだけでなく、チームメンバーの企画をレビューすることもできるようになると思います。つまり、プランナーとしてできる仕事の幅が広がっていくキャリアです。具体的な役割としては、イベントのオーナーから、複数のイベントを見るリードプランナー、タイトル全体を見るディレクターなどがキャリアステップでしょう。

役割だけで見るとキャリアステップが少ないようにみえますが、DGTでは数万人?数十万人のプレイヤーがいるタイトルを運営しています。ゲームによってチーム編成は、中規模から大規模までさまざまです。担当するゲームのジャンルも、長期運営をしているバトルゲームや可愛らしいデコゲームなど、対象となるプレイヤーや企画の難易度が異なります。

DGTでは今後も多くのゲームを運営していきます。その中で自分がやりたいことを実現できるタイトルの運営に手をあげ、自分の力でキャリアを形成していくことができる環境だと思います。より多くのプレイヤーに対してサービスを届けたい!という思いがある方は、このようなキャリア形成がよいのではないでしょうか。

(2)マネジメントのキャリア
タイトルにも当然ながらマネジメントが必要です。

マネージャーは、変化し続けていくゲーム運営において、メンバーがよりよいアウトプットを出すために何が必要なのかを考え、意思決定し、環境を整えなければなりません。そして、タイトルの枠を超え、プランナーの研修や育成に携わることもできます。変化の大きいゲーム運営だからこそ、プランナーに求められるスキルも高くなります。だからこそマネージャーは、高いマネジメントスキルが求められるでしょう。

そして、(1)と(3)が混じっていますが、プロデューサーとしてタイトルの責任者となり、チームを率いるキャリアを歩む人もいます(この話はまたの機会にさせてください)。

最後に

DGTで伸びる3つのスキル、プレイヤー志向、思考力、意思決定力は、どんな仕事をする上でも求められるスキルだと思います。ゲーム運営プランナーはもちろん、他業種でも活かせるので、キャリアの選択肢を広げることにつながるでしょう。そのスキルを得るのに最適な環境ではないでしょうか。

みなさんがキャリアを考える際、お話させていただいたことが役に立てば嬉しいです。

■プロフィール
山口 恭平
株式会社 DeNA Games Tokyo 取締役
2012年、DeNA入社。2013年に『三国志ロワイヤル』をプロデュースし、その後ゲーム運営に従事。シニアプロデューサーを経たのち、2015年からDeNA Games Tokyo(http://denagames-tokyo.jp/)の立ち上げに伴い、タイトル運営組織/事業の責任者を務める。企画部部長を経て、2017年、同社の取締役に就任。
《山口 恭平》

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