【レポート】『FINAL FANTASY』や『ドラゴンクエスト』を作る仕事とは?トップリーダーが考える“王道”が垣間見えたスクウェア・エニックス 中途採用説明会 | GameBusiness.jp

【レポート】『FINAL FANTASY』や『ドラゴンクエスト』を作る仕事とは?トップリーダーが考える“王道”が垣間見えたスクウェア・エニックス 中途採用説明会

12月2日、スクウェア・エニックス本社にて、マイナビクリエイター主催による「スクウェア・エニックス 中途採用説明会」が開催されました。

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12月2日、スクウェア・エニックス本社にて、マイナビクリエイター主催による「スクウェア・エニックス 中途採用説明会」が開催されました。

『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』や『聖剣伝説2 SECRET of MANA』、『インペリアル サガ』など、同社の名作を数多く手掛けてきた第8ビジネス・ディビジョン(以後、第8BD)の説明会とあって、会場には多くの方が詰めかけました。

現場のトップリーダー達による貴重なお話が満載だった、当日の様子をレポートします。

スクウェア・エニックスの第8BDについて



はじめに、今回人材を募集している第8BDの紹介が行われました。担当したのは、第8BDにてディビジョン・エグゼクティブを務める広野氏。広野氏はそれぞれの部門で予算や収支責任を持つ同社の部門について触れた後、「面白い!」と思うことには何にでも挑戦していく第8BDの雰囲気について語りました。

そんな第8BDにて募集している採用ポジションは、プロジェクトを成功に導くための先導者であるプロデューサー、ゲーム自体の面白さや設計の総責任者となるディレクター、多岐に渡るタスクを幅広くこなす何でも屋のプランナー、グラフィック関連を担当するデザイナー(第8BDではアーティストと呼称)、作品をより多くの人に届けていくプロモーションの5職種。それぞれの職種について、求める人物像や経験、スキルなどが説明されました。

トップリーダーが集う、豪華なトークセッション



次に第8BDで実際に活躍されているトップリーダー4名を招いた、トークセッションが行われました。参加者は先ほどの広野氏に加えて、『ライブ・ア・ライブ』、『FINAL FANTASY IV』、『半熟英雄』を手がけたシニア・マネージャー時田貴司氏、『FINAL FANTASY』や『ロマンシング サ・ガ』シリーズより「ドットの匠」としてファンを魅了し続けるCGデザイナー/アートディレクター渋谷員子氏、同社の作品を世界中のプレイヤーに届けるべくワールドワイドにご活躍されているマーケティング&PR マネージャー野間崇弘氏と、そうそうたる顔ぶれ。現場ならではのこぼれ話も多く、参加者は熱心に聴き入っていました。

『ファイナルファンタジー』らしさとは何か



以降、本記事ではトークセッションの様子を中心にお伝えします。モデレーターはIGN Japan副編集長である今井晋氏が務めました。

-『FINAL FANTASY』や『聖剣伝説』といったスクウェア・エニックスの代表作をスマートフォンに落とし込む時、どのようなことを意識されているのでしょうか。

広野氏:自分が作り出したIPではないので、当時作られていた方の考えや思いを汲みながら作ることを心がけています。その方が既に退職されていても、ヒアリングに行ったりしていますよ。

-スクウェア・エニックスは“ビジネス・ディビジョン”と呼ばれる部門に分かれていますが、お互いに交流はあるのでしょうか。

広野氏:ありますよ。プロデューサーはもちろん、開発者レベルでも部門の壁を超えて交流しています。

時田氏:例えば『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』の場合、メインは第8BDが担当してますけど、一部の監修などは他の部門に協力頂いてます。風通しは良いかなと。

広野氏:同じく『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』でいうと、3Dエフェクトはやはり最新のものを使いたいので、『MOBIUS FINAL FANTASY』や『FINAL FANTASY XIII』などを作っている第1BDのデザイナーさんに見てもらったりします。


-世界観の共通化が図られているわけですね。『FINAL FANTASY』らしいエフェクトというのもあるのでしょうか。

広野氏:うーん、それはなかなか表現が難しいんですけども(笑)。

時田氏:でもエフェクトこそ、一番時代を反映してる気がします。キャラクターはクラシックな雰囲気に戻ったりしますけど、エフェクトは2Dになったり3Dになったり、モバイルで物凄い進化を遂げたりしますし。

-『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』はドット絵のキャラクターも多く出ていますけど、それは渋谷さんも監修されているんですか?

渋谷氏:そうですね。最近は開発会社さんに出向いて、直接デザイナーさんに指導することもあります。先ほどの『FINAL FANTASY』らしさという所でいうと、キャラクターデザインが『FINAL FANTASY』らしいってことはもちろんですけど、その時代で最高のクオリティでなければ『FINAL FANTASY』じゃないと思いますね。

スクウェア・エニックスで働くということ



-スクウェア・エニックスで働く日常というのは、どんな感じなのでしょうか。

時田氏:『FINAL FANTASY』や『ドラゴンクエスト』という大型IPはもちろんあるんですけど、それ以外にもチャレンジできる余地はあります。スクウェア・エニックスという、一つの大きなジャンルの中で「そう来たか!」なんて発想があると、ヒットに繋がります。

-女性社員の活躍は、いかがでしょうか。

渋谷氏:たまたまかもしれませんが、第8BDは割と女性が多い部門なんです。定期的にワイワイ、女子会もやってますよ。ママ同士の子育て情報も飛び交ってます。けっこう、女子のほうが元気あります。30代がメインですけど、若い20代も活躍していますよ。

時田氏:ヨガもやってますよね。

渋谷氏:はい、“衛生委員会”という社員の健康促進を目的とした活動があるんです。ヨガ会を開いたり、ウォーキング&バーベキューなんてイベントを企画したり。あと業務エリア内でも、みんなで15分ほど時間を使ってストレッチすることもあります。

広野氏:あとは職場にご家族を呼ぶファミリーデイというイベントが催されたり、仕事関連であれば技術交流会をしたりですね。

-スクウェア・エニックスで働いている方であれば、トップレベルの技術を持つ方も多いのではないでしょうか。

広野氏:はい、いっぱいいます。同じ業界の方からすると大御所クラスな方も多いですが、話しかけるとみなさん、ちゃんと応えてくれますよ。

第8BDの雰囲気について



-第8BDには個性的なスタッフが集まっているとお聞きしましたが、どんな雰囲気なのでしょうか。

広野氏:会社の目標として「利益を出す」という前提はありますが、その中でもいかに面白いものを作ってユーザーに届けるか、新しいことにチャレンジしていくかという気持ちが強いです。それと有名IPと新規IP、どちらも扱っていますけど、スクウェア・エニックスの財産である既存IPはきちっと守りつつ、自分たちのオリジナルはしっかり作っていこうと。また、世界と戦えるグローバルなものや、遊園地のアトラクションのような新規事業にも挑戦しています。

-“グローバル”は第8BDを表す特徴と捉えて良いのでしょうか。

広野氏:そうですね。その点で見れば第8BDが、社内で先頭を走っているのではないでしょうか。

野間氏:タイトルによってケースバイケースではあるものの、日本から海外に向けてプロモーションを発信することが多いです。あとはアメリカやイギリスにもグループ会社があるので、そこと協力もしますね。

-英語力は必要になってきますか?

野間氏:メールやテレビ会議で現地とやり取りするので、英語が使えると便利です。もちろん通訳もいますけど、直接話せると早いです。最近は、社内の英語学習制度も始まっており、海外タイトルの担当者なら優先的に受けられます。スクウェア・エニックスの名作を世界に届けたいという方にとって、やりがいのある環境かと。

-なるほど。ほかにはいかがでしょう。

時田氏:クリエイター職もお互いに色々相談していますし、時には飲みに行くこともあります。若いメンバーやベテランも多いです。色々組み合わせたら、もっと可能性が広がるんじゃないかと。

-時田さんは役者としても活動されていますが、そういった活動はどれくらい認められるのでしょうか?

時田氏:基本、業務に差し障りなければ大丈夫です。そういった活動によってコネクションが増えますし、自分の幅も広がっていきます。枯れないっていうことかな。

広野氏:時田さんは色々な専門学校で、お話もされてますよね。

時田氏:そうですね。そこで言うと、みなさん知識を色々共有されているので、IQは非常に高いと思います。ただ、その分均一的というか、合理性だけで判断していて、尖らないなんてことも感じています。ゲームってオールインワンですから、様々なエンタメ要素に触れて、色々なものを取り込んでいってもらいたいですね

シナリオ制作に必要な技術と、トップリーダーが語る“王道”とは



トークセッションの最後には、来場者からの質問も飛び交いました。

-シナリオライターとして必要な技能があれば、教えて頂けますか。

時田氏:私はずっと独学でやってきたんですけども、ゲームのシナリオは小説とも脚本とも違います。ゲームは構成が重要で、どんな気持ちでバトルをするかがメインかなと。そのためにキャラクター設定や世界観、事件などがあるんです。設定を積み上げるのではなく、ゲームの遊び心地からキャラクターの役割を考えて、作ることが多いのかなと。『ドラゴンクエスト2』をプレイした時、ゲームの中で出会いと別れが経験できるというのが、非常に衝撃的だったんです。文章を書くというよりは、「お化け屋敷やジェットコースターのレールを作ってるみたい」という感覚に近くて、そういう所が面白いとも思います。

-昨今、“本格RPG”や“王道RPG”といった作品がスマホアプリで増えています。みなさんにとって、本格や王道といった基準があれば教えてください。

広野氏:んー、そうですねぇ…。プロデューサー視点で言うと、宣伝文句的にそういう言葉を使うというのはあります。それとは別に、自分なりに持っているものとしますと、例えば『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』にはレインという主人公がいますが、彼の成長や出会いといった物語をしっかりと体験できることが“王道”かなと思います。僕は明るい話の方が好きですし、どんよりしないでゲームを終えられるのが、“王道”ですかね。

時田氏:ここ数年になってやっと分かってきたんですけど、“王道”や“本格”というのは、ちゃんとユーザーの期待に応えるのが大事だなあと。どうしてもクリエイターって裏切りたくなっちゃうし、僕も昔は酷い目に合わせるシナリオが大好きでした(笑)。でもそれが有効になるには、まずみなさんの期待に応えて、楽しんでもらってから。ゲームのタイトルやキャラクターデザイン、キービジュアルには、ユーザーが想像する期待値があります。そこに応えられるかどうかだと、最近になって開眼しました。

渋谷氏:私は特にないです。多方面でよく言っていますが、私はまったくゲームをしないので。私は目の前にある仕事をするのみですし、それが結果として“王道”や“本格”と呼ばれるのは嬉しいです。ただ、そういったことは考えずに、今自分ができる仕事をやるだけ。そんな感じです。

野間氏:プロモーションの視点で言いますと、キャッチフレーズを作る際は“王道”や“本格”に変わる言葉を常に探しています。とはいえ、スクウェア・エニックスが“王道”や“本格”と付けることで生じるパワーは存在すると僕は信じていますし、そのタイトルの開発者が、「これは王道なんだ!」と主張するのであれば、その思いを汲むこともあります。反対に、ただ売るためだけに「“王道”って言葉が良いよね」という時は、反対することもありますね。



『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』といった誰もが知っているIPを持ちながらも、常に「面白いこと」への挑戦を意欲的に続ける第8BD。そんなチームを率いるトップリーダーたちの、作品に対する考え方が垣間見える貴重な説明会となりました。


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《ねんね太郎@インサイド》

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