いよいよ着地点を探す旅に『水没オシマイ都市』飯田和敏氏と納口龍司氏にインタビュー!【BitSummit Vol.6】 | GameBusiness.jp

いよいよ着地点を探す旅に『水没オシマイ都市』飯田和敏氏と納口龍司氏にインタビュー!【BitSummit Vol.6】

2018年5月12日~13日にかけて開催された「BitSummit Vol.6」にて、ゲーム菩薩グループが手がけるPC向けVR作品『水没オシマイ都市』が出展されていました。

ゲーム開発 インディー
いよいよ着地点を探す旅に『水没オシマイ都市』飯田和敏氏と納口龍司氏にインタビュー!【BitSummit Vol.6】
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2018年5月12日~13日にかけて開催された「BitSummit Vol.6」にて、ゲーム菩薩グループが手がけるPC向けVR作品『水没オシマイ都市』が出展されていました。

本作は、ダイバーとなり水没した都市に散らばる「遺伝子のかけら」を集めていくVRダイビングアクションゲーム。前バージョン『水没都市~シマダシステム』との大きな違いは、複数人のマルチプレイに対応した事、泳ぐにはHTC Viveのコントローラーで泳ぐ動作をしなければならなくなった事です。

複数人のマルチプレイでは、プレイヤー同士が協力して「遺伝子のかけら」を迅速に集めたり、逆に相手プレイヤーの邪魔をしたりできます。本作では、ダイバー同士の出会いにフォーカスしており、プレイヤーがダイビングをしていると知らないうちに他のプレイヤーとマッチングしていることがあるそうです。その出会いによってどのようなことが起きるのかというのも楽しみのひとつかもしれません。

続いて操作面。前へ前へと進むには、平泳ぎをするような動作でHTC Viveのコントローラーを振らないといけません。この操作には、コツが必要でなかなか前へ進むことはできなかったのですが、それには理由があるのだとか。


そこで当編集部は、本作を手がけている飯田和敏氏と納口龍司氏に色々と訊いてみました。


――なぜタイトルを『水没オシマイ都市』へと変更したのですか?

飯田和敏氏(以下:飯田氏):もう本作を開発して5年くらいになります。そろそろ着地点を探すためにタイトルに「オシマイ」と付けました。また、今回のバージョンではオンライン要素が搭載されており、プレイヤー同士の関係を「姉妹(シマイ)都市」に見立てました。

――前バージョンと比較して大きな変更点はありますか

納口龍司氏(以下:納口氏):基本的なことは変わらないのですが、オンライン要素を導入したことでプレイヤー同士で協力ができるほかに、アイテムの取り合いができるようになって、そこで駆け引きの面白さが生じるようになりました。

飯田氏:オンライン要素を導入したのは、本作のダイビング体験をプレイヤー同士で共有してほしいからなんですが、僕らもアイテムの取り合いを楽しんでいて「あれ、こういうゲームだっけ?」と戸惑いましたね。実は僕らも対戦プレイが大好きだったという。

――本バージョンを制作するにあたってこだわりは何でしたか?

納口氏:オンライン要素のつながりですね。「ダイバー同士が出会った時にどのようなことが起きるのか」という事を重点に置いています。前バージョンでは、水中に魚が泳いでいたのですが、今回はダイバー同士の出会いに注目してほしいので、最小限のものしかおいていません。


――デモをプレイしていて操作がやや難しく感じました。前へ進む動作の条件が限定されていて、普段使わないような肩甲骨まわりの筋肉を動かすことになり、けっこう疲れました。操作の改善をする予定はありますか?

納口氏:最初は簡単にできるようにしていたのですが、実際の泳ぎの動作に近づけることにした結果、今のかたちになりました。「泳ぎ」は大変だということをプレイヤーに感じさせたかったのです。また、エクササイズとして肩甲骨まわりの筋肉を動かして欲しいという意図もあります。

飯田氏:僕らは慢性的な肩こりなんです。僕は『Ingress』のヘビーユーザーなので、下半身は鍛えられていたのですが、上半身も鍛えたかった。このゲームで肩甲骨まわりの筋肉を動かすのは良い効果になっていると思います。

――開発するにあたって苦労した点はありますか?

飯田氏:VRゲームは、開発環境を整えるのが大変です。僕らはオフィスがないので、場所を借りて機材を持ち合って合宿したこともありますね。また、修正した箇所を確認するためにわざわざVRデバイスを装着するステップを踏まなければならないのも面倒でした。普通のゲーム開発とは色々と違います。


――プレイヤーに注目してほしいポイントを教えてください。

納口氏:まずは水中に潜っていくダイビングの感覚を味わってほしいです。水中には、人によっては恐怖を感じることがあるかもしれません。一方で気持ち良さもあります。そこを体験していただければ。

――最後に読者に向けてコメントをお願いします。

飯田氏:次は、今回のバージョンとは同じ形になりません。本作の着地点探しはじまったばかりで、このゲーム作りを通じて「インディーゲームとは何か」についても悩んでいます。読者の方々もその悩みを共有していただければと思います。

――ありがとうございました。




今回、『水没都市~シマダシステム』から『水没オシマイ都市』にタイトルを変更したので「いよいよ5年以上の開発期間を経て最終バージョンになるのか」と思っていました。しかし、実際に話を伺っていると、このゲームの着地点を探す旅に出かける準備支度をしている段階であることがわかり、その旅も長い時間にわたって行われそうです。

寄り道をしながらゲームのあり方を模索していく作り方は、インディーゲームならではと言えるのではないでしょうか。これからもゲーム菩薩グループならではの作り方でゲームを完成へと導いてほしいところです。
《真ゲマ@Game*Spark》

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