『コトダマン』の追加キャラクターは月間40体!煩雑な発注管理をスムーズに行う秘訣とは?ーセガゲームスに訊くプロジェクト管理ツール「SHOTGUN」導入事例 | GameBusiness.jp

『コトダマン』の追加キャラクターは月間40体!煩雑な発注管理をスムーズに行う秘訣とは?ーセガゲームスに訊くプロジェクト管理ツール「SHOTGUN」導入事例

前人未到の大ヒットを記録中の『共闘ことばRPG コトダマン』。キャラクター数が非常に多い同作は、いかにしてイラストやアニメーションの管理を行ってきたのでしょうか。セガゲームスの開発スタッフ2人に、そのカギとなる「SHOTGUN」の活用方法について伺いました。

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リリースからわずか3日で100万ダウンロード、記事執筆時点で700万ダウンロードという大ヒットを記録している『共闘ことばRPG コトダマン』。

“ことば”がテーマであるだけにキャラクター数が非常に多い同作では、大規模化するイラストやアニメーションの発注管理の効率化が急務でした。そこで開発陣が目を付けたのが、オートデスクのプロジェクト管理ツール「SHOTGUN」。……というわけで実に4回目を迎える「SHOTGUN」ユーザーインタビューですが、今回は株式会社セガゲームス里見宜男氏廣田隆哉氏を直撃。今一番盛り上がっているといっても過言ではないスマホゲームを陰で支える存在について、詳しく語ってもらいました。

――本日はどうぞよろしくお願いいたします。はじめに自己紹介をお願いします。

里見宜男(以下、里見氏):里見と申します、よろしくお願いいたします。もともとは『頭文字D ARCADE STAGE』などのアーケードタイトルに関わっていましたが、スマートフォン市場の拡大に伴ってセガネットワークス(現セガゲームス)に移り、スマートフォンタイトルの開発に取り組んでいます。コトダマンに関しては、キャラクターイラストの量産周りの管理を担当しています。

廣田隆哉(以下、廣田氏):里見と同じく、これまではアーケードタイトルに関わっていました。3年前にスマートフォン開発の部署に転籍し、以前と同様テクニカルアーティストとしてデザイナーの業務効率化のサポートなどを行っています。それと本作では、キャラクターのアニメーション制作進行管理も行っています。

――『共闘ことばRPG コトダマン』はまさに破竹の勢いですね。本作のプロジェクトの制作期間と人数などを教えてもらえますか?

里見氏:企画自体は2016年夏にスタートしています。ちなみに私は同年10月に、廣田は2017年1月にプロジェクトに加入しました。メンバーはアートだけで15名ほどいます。

廣田氏:人員について少し詳しく説明すると、バトルが2名、UIが2名、両方を兼業で担当するのが4名。イラスト素材そのものを作るのは協力会社となりますが、MAP画面は社内にて3名体制で作っていました。イラストの量産関係は9名で、モーション&エフェクトを含めてSHOTGUNで管理しています。

――発表から大きなトラブルも見られず、現在まで順調に来られている印象があります。

里見氏:多少のスライドはありましたが、思っていたよりも予定通りにリリースできたな、というのが率直な感想です。計画との誤差は2ヶ月程度だったと思います。

――セガゲームスとしては本作がSHOTGUNの初事例とお伺いしています。従来はどのようなツールでアセット管理を行っていたのでしょうか?

廣田氏:外注先とのやり取りは、これまではMicrosoft ExcelSkypeで行っていました。データの共有にはSilverBullet for File Transferを用い、Mantisでイラスト原稿の進行管理などを行っていました。ただ、モーションとエフェクトはデータが重いためMantisでの運用が難しく、どうしようかと悩んでいたところで「SHOTGUN」の情報をキャッチし、運用をしてみることになったんです。それとExcelでのキャラクター管理は、更新作業に時間が掛かる上にヒューマンエラーも多かったため、絶対に解決しないといけない課題でしたね。

――使用ツールが多岐に渡っていたんですね。ちなみに、「SHOTGUN」以外に導入を検討されたツールはありましたか?

廣田氏:というより最初は内製ツールを作る予定でした。しかし、それなりのサイズのデータ量を扱うためにはインフラ整備を行う必要があり、工数やコストを鑑みた結果、外部ツールに任せようという判断になりました。もちろん他のツールも検討しましたが、機能を比較した時に一番良かったのが「SHOTGUN」でした。導入自体は2017年5月頃でしたね。


――「SHOTGUN」導入に際して、お二人の目線でのファーストインプレッションを教えてください。

里見氏:パッと見で良いなと思ったのは、キャラクターイラストのサムネイル表示ですね。キャラクター管理はデザインなどのクリエイティブな作業とは別口で、ひたすらデータベースとのにらみ合いなので、実際のイラストを見ながら進めていけるのが良かったです。

廣田氏:Excel時代は私が全てデータを管理しており、関数やマクロをいろいろと仕込んでいたのですが、データとレイアウトと数式が全部シートに乗っているためいつもデータが壊れないように気を遣っていました。「SHOTGUN」はデータベース構造がしっかりしており、管理する事柄ごとに適切な情報更新が行えるので良かったですね。里見が言うサムネイル表示もですが、個人的にはイラストやアニメーションに直接メモを書けるのが気に入っています。

――ちなみに、その時のExcelの画像などあれば見せて頂けますか?


廣田氏:こちらです。この情報を取りまとめるために、私自身が一週間まるまる掛けてチーム内を奔走してデータを集めていましたね。ものすごい工数でした。

――確かにこれは……(驚)。発注管理や予算管理、スケジュールなど全て一枚でやっていたんですね。となると、【旧】のようなシートも出てきてしまいますよね?

廣田氏:そうなんです。それと、みんなが自分の使いやすいよう独自にカスタマイズしたExcelファイルを持っていたりしたので、取りまとめる難易度は高かったですね…。

里見氏:そもそもこれ、どこのデータなんだろう?発注前の話かな?

廣田氏:多分、そうですね、途中から「SHOTGUN」に移行してしまったので途絶えていますが。こうした既存のExcelデータをCVSファイルでそのままスムーズに「SHOTGUN」に取り込めたので移行も楽でしたね。


――まさに「SHOTGUN」が救世主となったんですね。では、ここから先は具体的な運用方法についてお話しいただけますか?

里見氏:では、まずは静止画のイラストの発注から説明します。アーティストから上がって来たラフは左上のリストに入り、ラフのチェックがOKであれば、その下の着色のリストに移動します。このように、一画面の中でステータスごとに移動していくような形です。こうして見ると、左上のボックスの中を順番に空にして行けば良いというのが直感的に分かりますよね。


――確かに、ラフの段階のイラストが何枚で、着色待ちが何枚で……というのが、この画面をパット見ただけで大まかに分かりますね。

里見氏:はい、視覚的に残りのタスクのボリュームが把握できるのがすごく楽です。個別にデッドラインまで何日と書くよりはよほど感覚的ですね。今回はスケジュールが少し特殊で、発注は一ヶ月ごとですが検収はその一ヶ月半後。そうなるといつ忙しいか良く分からなくなってしまうと思いきや、たまにラフが溜まっているのを見て「うわー!」ってなるんです(笑)。これも視覚的に分かるメリットですね。


廣田氏:私の方も似ていますね。画面上部は左側がモーション確認、右側がエフェクト確認に分かれており、内部チェックが必要なものだけが上に集まってくるような見た目になっています。ディレクターはチェックのためにこの画面の上の方だけを見れば良いんです。

――なるほど……。ちなみにキャラクター数は何体ほどいるのでしょうか。

里見氏:リリース当時は700体でした。本作では進化前、進化後差分を別キャラとして管理しているので、表に出ているキャラ数350の倍ですね。そこからは月間40体を目安に追加が行われています。

――月間40体も!アニメーションも含めてとなるとかなりの工数ですね。

里見氏:そうなんです。だからサムネイルまで含めて一括で表示できたり、あとは集計データなどがすぐ確認できたりするのは大きな要素ですね。

――外注先とのやり取りもSkypeなどから全て「SHOTGUN」に移行しているのでしょうか?

廣田氏:そうですね。キャラクター単位のチェックバックは、そのやり取りも含めて全て「SHOTGUN」で完結しています。さすがにミーティングの日程などの細かい確認事項は別ツールですが、でもアセット管理は完全に一元化できているような感覚です。あとは里見も「スケジュール感が視覚的に分かる」と言っていましたが、我々は特にガントチャートでの管理を意識していないんです。ボックスの中が空になるようタスクを消化して行くというシンプルな方式ですが、デッドラインの一週間前はキャラ名が黄色、過ぎたら赤色になるように設定しているので、この辺りもパッと見で状況が分かるような仕組みにしています。


――先ほどもメモ機能に関して廣田さんからお話がありましたが、チェックバックなどは全てメモの機能で行われているのですか?

廣田氏:ほとんどはそうですね。編集ソフトを立ち上げなくても良いのは、キャラクター数が多い場合などは時間の短縮になります

里見氏:ちなみに静止画は数が多いので、「SHOTGUN」に上がる前の大ラフ――つまりはラフの手前段階でリテイクがないように詰めています。ラフ以降はほぼリテイクはない、というかリテイクがあるとスケジュールがスリップしてしまうので、発注サイクルを繰り返してレギュレーションをきちんと定めています。


廣田氏:あとはモーションの場合、タイミングの指示がとても重要です。状況によっては、外注先と対面して身振り手振りで直接指示する場合もあります。


――そういえば、先ほどから画面を拝見していると「SHOTGUN」を日本語のユーザインターフェースで運用されているんですね。

廣田氏:はい。日本語対応のアップデート以降はずっとこうです。英語っていうところで引いてしまう方もいましたし、構築する側としても日本語の方が分かりやすいかなと思います。まあ、一番は日本語版を使い始めると“「英語版に戻して!」という人がいないから”という理由なんですけども。

一同:(笑)


――発注先と情報共有をする際、当然外部にも「SHOTGUN」を使ってもらうことになりますが、その際のリアクションはいかがでしたか?

廣田氏:問題なくスムーズに行けましたね。「基本的にはタスクが並んでいるので、あとは進行に応じてステータスだけ変えてね」という感じで大丈夫でした。Excelとそれほど使い勝手が違うというわけでもないので。

里見氏:あとは既に「SHOTGUN」を導入済みという協力会社もいましたので、ノウハウの共有などもさせてもらいました。複数社とやり取りをする際、他社が担当する情報を互いには見えないようにしたい……。その上で社内、社外の情報をひとつのツールで一元管理したい……というのも「SHOTGUN」なら問題なく叶えられるんですよね。

――「SHOTGUN」を継続利用してみてどのくらい作業効率がアップしたかなど、数字面で具体的な変化はありましたか?

廣田氏:それこそ、Excelデータをまとめるだけで私1人が1週間掛かりっきりになっていたことを考えると、単純計算で1週間40時間の短縮になっています。日々のストレスもかなり減りました(笑)。それと私はスクリプトも書いているので、浮いた時間をツール作りに充てるというふうに、さらなる業務の効率化のために動けるようになりましたね。以前はそういった時間も生み出せないような状況でしたので、今は相乗効果的に効率化が図れています。

里見氏:1週間40時間……数字で見るとものすごくデカいですね。ツールを利用する立場から見ても、一元管理のおかげであっち見てこっち見て、というような無駄なツール切り替え時間が減りました。それこそプロジェクト中期は、9ヶ月の間に初期700体分のモーションを付ける、みたいな規模感でしたので、小さな時間短縮が積み重なって大きな効果を生んでいたと思います。

――現在はアセット管理と発注管理に利用されていますが、今後は「SHOTGUN」をどのように活用していく予定ですか?

里見氏:ここまで情報がひとつに集まってくると、資料置き場みたいな様相になるんですよ。今は発注するための情報に留まっていますが、例えばキャラ相関図なども入れ込んでしまって、資料として閲覧できるようになるともっと便利かもしれないと考えています。

廣田氏:デザインだけでなくボイスデータを「SHOTGUN」上で管理するなど、他の職種にも広げて行きたいですね。あとは他タイトルへの転用ですが、実は現在「SHOTGUN」で運用しているものが4タイトルあるんです。きちんとドキュメント化して、情報の共有ができたらと思います。

――セガゲームスさんともなると、他にも社内で数多くのツールを使われていると思いますが、そういったところとの連携は考えていますか?

廣田氏:DCCツールとの連携はやっていきたいと思っていて、今は検討中という感じです。シーンファイルのバージョン管理などとも直接繋げたいですね。APIが公開されているのはとてもありがたいです。


――ありがとうございました。それでは最後に、「SHOTGUN」を導入しようか迷っている方に向けて、メッセージをお願いいたします。

里見氏:導入しようか悩んでいる、という段階であれば「入れましょう」と言うしかないです。現状、Excelで全ての管理ができていると思っている人は、実は時間的に仕事をそれしかできていないだけかも知れません。情報の更新だけに時間を割いているのではなく、しっかりとプロジェクトをコントロールして他のクリエイティブな仕事に時間を回すためにも導入をオススメします。

廣田氏:Webブラウザベースながら、Excelに近い操作感なので敷居は低いと思います。また、セミナーやイベントも多く開催されていて、日本語資料も豊富なので助かりました。あえて言うとすれば…、「SHOTGUN」には登録した情報をExcelにエクスポートする機能もあります。万が一、合わない場合にはいつでもExcelに戻れますので安心してください(笑)。トライアルもあるので一回試してみる価値はあると思います。



なおオートデスクは、近日開催の「GTMF 2018(*)」にてゲーム業界の皆様向けにプロジェクト管理ツールSHOTGUNをご紹介するセッションを行うほか、プロジェクト管理 SHOTGUN/リアルタイムアニメーション MotionBuilderの展示をいたします。ご興味のある方は事前登録の上、ぜひご来場ください。
(*)Game Tools & Middleware Forumの略。アプリ・ゲームの開発・運営に関わるソリューションが一堂に会する、入場無料のイベント

【セッション】ゲーム業界で導入が進むSHOTGUNの魅力について
開催時間 D1 / 10:00~10:45(大阪・東京 共通)
開催場所 大阪会場 Room 7 / 東京会場 NEXT 3


また、SHOTGUNおよびMotionBuilderの体験版をGTMF会場でお申込いただいた皆様には素敵なプレゼントを差し上げます。ぜひお立ち寄りください。

開催場所: 大阪 / コングレコンベンションセンター(グランフロント大阪内)
東京 / 秋葉原UDX GALLERY NEXT THEATER
開催日時: 大阪 / 2018年6月27日(水)、東京 / 2018年7月13日(金)

https://area.autodesk.jp/event/autodesk/gtmf-2018/

※コトダマンの公式URLはコチラ

《神山大輝》

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