2020年2月13日発売予定、ニンテンドースイッチ向けソフト『初音ミク Project DIVA MEGA39's(以下、MEGA39's)』。TGS2019にも試遊出展されている本作について、クリエイティブプロデューサー・大崎誠氏&プロデューサー兼ディレクター・松並桂一氏に、アニメ調PVやミックスモード、専用コントローラーなど、新規要素を中心にお話を伺いましたインタビューを実施しました。――では、まず最初に、おふたりが『MEGA39's』にどのように関わられているかを教えてください。松並桂一氏(以下、松並氏):『MEGA39's』に関しては、プロデューサー兼ディレクターを努めています。大崎誠氏(以下、大崎氏):クリエイティブプロデューサーというよくわからない役職に就いております(笑)。版元さん(クリプトン・フューチャー・メディア)とのやりとりのなかで、やっていいこと・ダメなことというものがあるので、そこを指示しています。松並氏:元々『初音ミク Project DIVA ARCADE(以下、DIVA AC)』で、プロデューサーを大崎が、ディレクターを私が担当する形で進めていた関係もあって、本作でも私の面倒見役的な役割で、大崎に就いてもらってます。――おふたりはシリーズ初期から関わられているのでしょうか。大崎氏:我々はアミューズメント側の人間なのですが、元々コンシューマー側で開発されていたPSP『初音ミク Project DIVA』を見て、「これはすごい!」思ったのがきっかけですね。初代『DIVA』発売からすぐの、2009年7月17日ごろに「アミューズメント側でもやらせてくれ!」と言ったのは今でも覚えています。社内販売用のソフトが売り切れてたりしたのも覚えてますね。松並氏:「これは(アミューズメントでも)いけるんじゃないか!?」というノリで話に行きましたよね。それ以来、ずっとふたりでやってきました。『DIVA AC』だけでなく、ライブやその他のいろいろなことも含め。――当時『DIVA AC』の発表があったときは、とても嬉しくて。ロケテストも行きましたし、今だにそのときにもらったICカードを使っています。大崎氏:まだAimeになる前のICカードですね。ロケテも本当に人が来るのか心配でしたが、実際にやってみたらすごかったですね。松並氏:あれは嬉しかったですね。1月2日までゲームデータをいじっていましたから…。というか、『DIVA AC』の話になってませんか(笑)。大崎氏:まぁ、それくらい昔からやってきたということで(笑)。――それでは、『MEGA39's』の話に移っていきたいと思います。まず、ニンテンドースイッチでの発売に至った経緯を教えてください。大崎氏:2019年というのは、初代『DIVA』が発売されてから10周年という節目なんですよね。セガでは様々な部署で、初音ミク関連のことをやっていて、それのすり合わせなどのために、月イチで定例会議を行っているのですが、その場で「(『DIVA』が)10周年だしなにかやりたいね!」「携帯機でやっぱ『DIVA』っていいよね…」と盛り上がったことがありまして。じゃあ、今ならスイッチとかいいのではないか、となったのがきっかけですかね。すごく簡単に言うと「機運が盛り上がった!」という感じですね(笑)。松並氏:そこから「スイッチで出すならどういうことをしたらいいか」を詰めていきましたね。大崎氏:この間「マジカルミライ 2019」で発表された『プロジェクトセカイ』も合わせて、10周年を機に、もう一度セガが初音ミクのゲームをやるぞ!という流れになってますね。――もう10年なんですね…。今回の『MEGA39's』では、アニメ調のモデルになっていますが、変更した理由はあるのでしょうか。大崎氏:たくさんの理由がありますが、一番メインになっているのは「かわいいミクさんを見てもらいたい」という部分ですね。これはシリーズ通してのルールですが。実は、『DIVA AC』のモデルって、PSP初代のモデルとほぼ一緒なんですよね。腕を少し調整していたりしますが顔は全く同じで、基本的にはポリゴン数を増やしただけです。シェーディング(陰影)でかなり印象が変わるので、別のモデルに見えるんですよね。『DIVA AC』は、フォトリアルに寄っていて、すごく評価もしてもらってきたのですが、やはり苦手という方もいます。じゃあ、このルックスを今風に見せていこうということでアニメ調の表現にしました。松並氏:『DIVA AC』や『初音ミク Project DIVA Future Tone(以下、DIVA FT)』と同じことをしてもおもしろくないですしね。「裏表ラバーズ」等アニメ調に近いPVもありますが、他の曲がそれになったときに、PVがどう見えるのかというのは、我々も見てみたいですし、ユーザーの皆様もそうなのではないかなと決断しました。――アニメ調にするにあたって、モデルだけではなくPVまわりも調整は入っているのでしょうか。大崎氏:一番大きいのは光源調整ですかね。松並氏:アニメ調の表現が一番かわいく見えるように、各カットに手を加えていますね。大崎氏:フォトリアルって、スポットライトがバッチリあたっているような、眩しさの表現とかは向いているんですよね。ですが、それをそのままアニメ調でやろうとすると、白飛びしてしまうんですよ。松並氏:最初は単純にそのままアニメ調にしてみたのですが、鼻や口が消えてしまうんですよね。そこの調整は色々と手を加えています。――では、今まで『DIVA AC』や『DIVA FT』を触ってきたユーザーも『MEGA39's』のPVはまた違った形で楽しめると。大崎氏:「こういう見え方になるんだ!」と楽しんでもらえると思いますよ。目指すべくは「全カットかわいい!」ですね(笑)。『DIVA AC』は、ある意味フォトリアルの味でもあるのですが、「ちょっと怖いかも…」という瞬間があったかもしれません。ですが、今回はどこをとってもかわいく見えるようになっています。――モジュールは300着以上ということですが、こちらも全部アニメ調になるんですよね。大崎氏:ですね。フォトリアルでは良く見えるけど、アニメ調にするとちょっと…というのもあったりするので、きれいに見えるよう調整を続けています。大変ですね(笑)。髪型チェンジもしっかり入っています。松並氏:300着以上というシリーズ10年分のボリュームがありますからね(笑)。夢のようなソフトですよ。大崎氏:あと、「自分でデザインできるTシャツ」はすごいですよ!タッチパネルで描けるので、様々な作品が出てくるのが、今から楽しみです。――ちなみに、Tシャツは全キャラで使えるのでしょうか。松並氏:いわゆるクリプトン系の6人(ミクさん、リン・レン、ルカさん、KAITO、MEIKO)になります。――他にも『MEGA39's』独自の遊び方として「ミックスモード」がありますね。マジカルミライで出展されていましたが、反響はなにかありましたか?松並氏:アンケートをとっていましたが、いい評価が多かったですね。ただ、マジミラはミクさんのファンが多いので、ある意味ホームグラウンドなんですよね(笑)。なので、TGSでアンケートを再度とって、いろいろな意見を目にしたいなと。ちなみに、全曲「ミックスモード」で遊べるので、プレイバリュー的にはかなりの物があると思います。大崎氏:TGS試遊バージョンは、マジミラのアンケートであったご意見を元に、改修したものになっています。二週間ほどしかなかったので、開発はかなり大変でしたが…。主に「ミックスモード」に手を加えていて、傾き方の感度調整ができたり、プレイ中にポーズをかけて、どう動くかを確認できるようになっています。松並氏:スイッチ独自の遊び方をいれたい、ということで実装された「ミックスモード」ですが、ジョイコンを縦に持って、傾けて遊ぶというのを理解しないと楽しめないんですよね。マジミラバージョンではそれをリズムゲームをこなしながら理解しなくてはならなかったのですが、TGSバージョンではポーズをかけて実験できるようになっています。「よくわからないな」と思ったら、一回止めて試してもらえるといいかなと。大事なことなのでもう一度「ジョイコンを縦に持って、傾けて遊ぶ」。いわゆる「いいね持ち」ですね。もちろん、製品版ではチュートリアルを入れる予定ですが、これをぜひ意識してもらえますと。大崎氏:TGSでもアンケートをとっているので、ぜひ忌憚のないご意見をいただければと思います。今ならまだ直せますので。マジミラのアンケートもそうですが、意見をいただいたからには直します。じゃないとアンケート取る意味がないですし、何もしなかったら今後応えてもらえなくなってしまうので。――「ジョイコンを縦に持って、傾けて遊ぶ」覚えておきます。先日のマジミラでは、専用コントローラーも発表されましたね。大崎氏:よく実現できたなと…。いろいろな人の粘りと、ちょっとの運、そしてTwitterで多くの人が反応してくれたおかげです。あのTwitterのアンケートで反応が全然なかったら本当に出ることはなかったと思います。松並氏:あのアンケートはドキドキでしたね。あれが全てだったので。――本当に「待ってました!」という感じです。大崎氏:これ以上のものは作れない!というクオリティになっているはずですよ。松並氏:サイズ感、ボタンやスライダーの位置関係、押したときのレスポンス等、アーケードと全く同じ感覚で遊べるように目を光らせて作っています。大崎氏:オシログラフを見ながら、1フレームレベルで遅いとか速いとかやってるくらいですらね(笑)。松並氏:『DIVA AC』のスタッフたちが全力で監修していますので、絶対に変なものにはなりません。大崎氏:アーケードっていつかなくなってしまうんですよね。『DIVA AC』ですらもう10年で、筐体の液晶などが過去のものになりつつあります。パーツもすぐに生産が終わってしまうので、いつかは起動しなくなるときが来てしまうんですよね。松並氏:『DIVA FT』でゲーム自体は世に残せましたが、やっぱりコントローラーも残したくて。今回が本当にラストチャンスという思いで、なんとか実現に至りました。――ラストチャンス…。買わないと、ですね。大崎氏:「買わなかったことを後悔する」くらいの気持ちで作っています。松並氏:なので、失敗はできませんね。本当に。――では、そろそろ締めに向かいますが、その前にひとつ、個人的に気になっていることを伺います。「ノーツの形状」はカスタマイズできるのでしょうか。松並氏:変えられます!矢印にもできますし、『DIVA AC』と同じ物にもできます。なるべく、『DIVA AC』を含む今までのシリーズを遊んできた方でも、そのままの感覚で遊べるようにしています。――ありがとうございます。安心しました…。では、最後にシリーズの今後に対する抱負をいただければと思います。大崎氏:個人的に、色々と考えていることはありますが、今は「魂と計算」が必要な時代です。熱意だけでなく、まずは『MEGA39's』をしっかりと結果がついてくるような良いものにしたいと思っています。そうすれば、自然と次が出てくるはずです。松並氏:同じく、まずは『MEGA39's』ですね。できるだけ完成度を上げて、良いものにしていきたいなと。ユーザーさんの声というのも、本当に大事なので、ぜひTGSで触っていろいろなご意見をいただければと思います。――ありがとうございました!『初音ミク Project DIVA MEGA39's』は、2020年2月13日発売予定。価格は、通常版が5,990円(税抜)、限定版が9,990円(税抜)です。(C) SEGA / (C) Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
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