英国の独立系デベロッパーであるIcon GamesはWiiウェアやPSPで自社パブリッシングを開始するとのことです。Icon GamesはWiiやPSP、プレイステーション2での開発実績を持つデベロッパーで、これまでにボールを転がすレースゲーム『Vertigo』や『Spinout』や、ビリヤードゲーム『Pool Hall Pro』などを発表しています。今年の終わりに自社でのパブリッシングを開始、Wiiウェア、PSP、iPhone用のゲームを発売する予定で、Wiiウェア及びPSP用の『Arcade Darts』『Stuntcars』、Wiiウェア『Arcade Sports』といったラインナップが公開されています。同社の開発部門のリーダーであるRichard Hill-Whittall氏は、自社パブリッシングを「長期的な目標であったが、これほど早く始めるとは思ってもいなかった」とコメントしています。氏は「伝統的なパブリッシャーが即座に決定できないケースが増えていることが、我々に自社でのパブリッシングを決意させた。パブリッシャーにデモやアイデアを渡すという、旧来のビジネスモデルを支持することが困難になった。パブリッシャーがゴーサインを出すまでの時間はより長くなっている」と発言しています。これまでのスタイルではデベロッパー作ったゲームアイデアやデモをパブリッシャーに渡し、開発続行のゴーサインを仰ぐことが通例とされてきましたが、ゴーサインが出るまでの時間が長くなるということはデベロッパーには不利益となります。「パブリッシャーとの契約や交渉に6〜12ヵ月かかることは珍しくない。その間、デベロッパーはスタッフに給料を支払う方法を見つけなければならない」「こうした遅延は、デベロッパーのマネジメントを困難にしている。現在は自主パブリッシングに挑戦する方が旧態依然としたビジネスモデルを続けるよりも簡単になったこともポイントだ」と氏は語ります。不況に伴いパブリッシャーの決定に時間がかかることがデベロッパーに負担を与えたこと、そしてダウンロードゲームによって自社でのパブリッシングがこれまでより容易になったことがIcon Gamesを決断させたというわけで、今後はこうしたケースが増えるのではないでしょうか。
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