数百万人のデータを物理サーバーからクラウドに移転 Windows Azureを採用するクラリティ・エンターテインメントに聞く | GameBusiness.jp

数百万人のデータを物理サーバーからクラウドに移転 Windows Azureを採用するクラリティ・エンターテインメントに聞く

『たのしい☆みん顔!生活』や『おいでよ☆トモダチ王国』で知られるクラリティ・エンターテイメントは300万人を超えるユーザーを抱えるゲームを提供しています。同社では当初、物理サーバーでの運用を行っていましたが、後にWindows Azureのクラウドプラットフォームに

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『たのしい☆みん顔!生活』や『おいでよ☆トモダチ王国』で知られるクラリティ・エンターテイメントは300万人を超えるユーザーを抱えるゲームを提供しています。同社では当初、物理サーバーでの運用を行っていましたが、後にWindows Azureのクラウドプラットフォームに
  • 『たのしい☆みん顔!生活』や『おいでよ☆トモダチ王国』で知られるクラリティ・エンターテイメントは300万人を超えるユーザーを抱えるゲームを提供しています。同社では当初、物理サーバーでの運用を行っていましたが、後にWindows Azureのクラウドプラットフォームに
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『たのしい☆みん顔!生活』や『おいでよ☆トモダチ王国』で知られるクラリティ・エンターテイメントは300万人を超えるユーザーを抱えるゲームを提供しています。同社では当初、物理サーバーでの運用を行っていましたが、後にWindows Azureのクラウドプラットフォームに乗り換えたといいます。同社執行役員の尾野祐介氏に聞きました。

―――最初に自己紹介をお願いします

クラリティ・エンターテインメントは今年4期目を迎えたモバイルゲームパプリッシャーです。1億通りを超えるアバター作成が可能な人気の育成・シミュレーションゲーム『たのしい☆みん顔!生活』(mixi)、や『おいでよ☆トモダチ王国』mobage,GREE,entag!,mixi)、HTML5の限界に挑戦したブラウザゲーム『パズルRPG ぽっぷん☆アリス』(mobage,mixi)など、320万人を超えるお客様にご利用頂いています。人材の育成とノウハウの蓄積を重視し、企画・開発・制作・運営の全てを自社内で行っているのが特徴です。

―――どのようなゲームでWindows Azureを採用されているのでしょうか?

モバイル上で自分そっくりの似顔絵アバターを作って村で暮らす、ソーシャルシミュレーションゲーム『たのしい☆みん顔!生活』(mixi内提供)で採用。現在会員280万人。

―――Windows Azureを採用された経緯を教えていただけますか?

実はこのサービスはソーシャルアプリの中でも相当なご長寿アプリで、クラウドがそれほど一般的でなかった時に生まれたサービスです。

200万人以上のトラフィックを捌く為に沖縄データセンターでオンプレミスで運用していましたが、クラウドへ乗り換えの必要に迫られていた頃、マイクロソフトさんがクラウドサービスに力を入れている、という話を人づてに聞きました。

当時、クラウドの営業に力をいれていた数社さんともお付き合いはありましたし、実際別のサービスでは他社クラウドサービスを利用していました。正直いうとWindows Azureのホームページをパッと見た所、弊社のようなベンチャー企業&国内ゲームパブリッシャーを対象にしていない印象を受けた為、敷居が高いのではないかと感じました。たまたま知人を通じてWindows Azureの営業ご担者様とお会い出来た事で現在に至るのですが、今ではそのご縁に感謝しています。

当初、クラウドのサービスは多少枝葉は違えど同じような設計や製品だろうと、クラウドサービスの比較検証を終えて冷めていた我々の目を覚まさせてくれる衝撃を、Windows Azureチームの皆さんが与えてくれた事を今も覚えています。Windows Azureは、IaaSはもちろんのことPaaSもSaaSも一括して提供されていて、しかもそれがなかなか興味深いものでした(詳しくはこちら)。

流石に日本マイクロソフトが国内で力を入れようと本気で取り組んでいるだけはある、と弊社代表もあっという間にWindows Azureのファンになったようで、その頃はまだ費用面や具体的な技術検証は終わっていませんでしたが、Azureを採用する方向で前のめりに検討して、と指示されました。ですのでどちらかというと取り掛かりは Windows Azureを評価する、というよりもマイクロソフト社のWindows Azureに関わる方々の志や優秀さに惚れたんだと思います。ゲームを運営する企業の現場では、いかに優れたクラウドシステムであっても、そのシステムを提供し支えるのは人であって、その“人”が見えないシステムは何かしらトラブルがあった際どうにも対応頂けない、ということをわかっています。クラウド選びは人選び(提供企業)も重要なファクターです。

―――他のサービスと比較した際に評価したポイントはどういう部分でしょうか?

やはり、IaaSだけでなく、PaaSやSaaSも一括して提供されている点でしょうか。PaaSの設計思想も大変興味深く、使ってみたいと思わせる内容です。バックアップでも、異なるデータセンターへ「地域冗長」で3重にバックアップされるため、クラウドのデータ保全としては最強クラスではないでしょうか。そこがとても安心です。

―――導入は大変だったようですね

何しろ、200万人を超えるユーザデータを持っていたため、ユーザ由来の大きな画像ファイルや動画ファイルを移動させるという事をどう実行するか、が最も重要な課題でした。全部で数テラにもなるデータを表の回線を通して転送するには莫大な時間と回線の占有が必要になってきますし、データを沖縄でハードディスクにコピーしてから空輸するにしてもコピーにかかる時間と空輸時間、その間にもまた運営に伴う増加分・変更分などが発生してしまうことが、それぞれ問題になってきます。

計算と評価検証の結果、結論として、発想を変え、沖縄のデータセンタから、ユーザパラメータと一部のログのみ、数十ギガをAzure側に回線経由で移動させ、Azureで一気に数百台のサーバを構築し、そこで移動してきたパラメータから、ユーザー由来の画像や動画を再構築することで問題を解決する手法を選択しました。

数年の運営を経たデータ量は莫大だったので、それを一気にAzureクラウド上に再構築するのはなかなかやりごたえのある仕事でしたね。

回線経由よりも空輸経由よりも圧倒的に高速でなおかつコストパフォーマンスも良く、確実なデータ移動が行えた事は、クラウドへの移築実績として評価できると思います。沢山のサーバを必要に応じて一気に構築して、利用が終わったらすぐ解放する、そんなところもAzureだからできることです。

―――今後Windows Azureに 求めたい点を教えてください

やはり、多機能で便利なPaaSと自由なIaaSのシームレスな連携が出来るようにして欲しいですね。両方をこれだけしっかり提供されているので、連携が取りやすいとAzureへの移行もしやすいですしね。また、バージョンアップ時等の、より簡単な可用性の担保をお願いしたいですね。

―――今後のゲーム開発とクラウドの関係はどのようになっていくと考えられますか?

必要なリソースを必要なタイミングで、必要な量だけ確保できる事というのは、実はゲーム開発やその他の制作やプログラミングなどの手法を大きく変えてしまう可能性があるのではないかと、感じています。今回のサーバー移行に際して必要に迫られてその様な手法を取りましたが、もっと一般化して簡単にこれらを思いつきレベルででも使えるならば、それはこれまでと違うコンピューティングなのではないでしょうか。

Windows Azureは設計思想の素晴らしさや安定度は勿論の事、そこに携わる人々の想いも特徴的であるサービスだと思います。また、我々のようなベンチャー企業に対してのバックアップ制度も手厚いものが用意されています。Windows Azureを良く知らない人は、セミナーやイベントのブースでお話を聴くことを本気でおすすめしたいクラウドですよ。
《GameBusiness.jp》

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