「ゆっくり茶番劇」を無関係の第三者が商標登録―出願代理事務所は本件に関して謝罪 | GameBusiness.jp

「ゆっくり茶番劇」を無関係の第三者が商標登録―出願代理事務所は本件に関して謝罪

ニコニコ運営代表の栗田穣崇氏は、5月21日までに「ニコニコとしての公式見解」を出すとしています。

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「ゆっくり茶番劇」を無関係の第三者が商標登録―出願代理事務所は本件に関して謝罪【UPDATE】
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2022年5月15日、YouTuberの柚葉氏がゆっくり茶番劇」の商標権を取得したことを公表しました。本商標は同氏が活動する以前から普及していたことや、元は他者の著作物の派生コンテンツであることもあり、ネット上で物議を醸しています。

「ゆっくり(ゆっくりしていってね!!!)」とは、「ZUN(または神主)」こと太田純也氏が主宰するサークル「上海アリス幻樂団」の弾幕系シューティング『東方Project』シリーズの二次創作コンテンツです。具体的な時期は不明ですが、ゲーム会社に勤めるグラフィッカー・Dプ竹崎氏が大手掲示板サイト「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」にて書き込んだアスキーアート(AA)が原型であると言われています

「ゆっくりしていってね!!!」のアスキーアート

そして、同掲示板で最終的に定着した「ゆっくりしていってね!!!」のAAをまそ氏がイラスト化し、多数の創作者も続いて様々なバージョンを作成していきました。後に動画サイト「ニコニコ動画」が日本で普及すると、「ゆっくり」にテキスト読み上げソフト「SofTolk」に吹き替えをさせる投稿者が登場。これがいわゆる“ゆっくりボイス”のイメージ定着に繋がったというのが通説です

ニコニコ動画では「ゆっくり」にゲームを実況させる「ゆっくり実況プレイ」、様々な物事を解説させる「ゆっくり解説」、キャラ同士の寸劇を描いた「ゆっくり茶番劇」などが誕生し、次第にYouTubeに広まっていくこととなりました。

今回その中の「ゆっくり茶番劇」を商標登録した柚葉氏ですが、同氏は2015年3月から別名義でゆっくり実況者として活動を開始したYouTuber(本人のチャンネル概要欄より引用)です。本商標の使用に関して、同氏は年間10万円(税別)の使用料が必要になることを自身の動画にて主張していますが、動画では「誤認・混同を引き起こすような態様」での使用を禁じる旨を注記しているものの、具体的にどのようなケースが当てはまるのかは言及しておらず、関連コンテンツである「ゆっくり実況プレイ」などに影響する可能性も否定できません。

また、“東方の「ゆっくりしていってね!」”コンテンツは、2020年にZUN氏、Dプ竹崎氏、まそ氏共同の元、同シリーズ二次創作の範疇である旨が明確化されましたが、柚葉氏は同作と「一切関係御座いません」と表明しています

しかし、同氏は2021年に投稿した動画(現在は非公開済みでWeb Archiveより確認可能)で「ゆっくり茶番劇」は“東方2次創作作品の1つである” と主張しています。現在「ゆっくり」コンテンツでは画風のみを真似た『東方Project』とは関係ない派生キャラも存在しますが、当時の見解と矛盾している件について説明されていないのもあり、商標がどこまでカバーされるのかは不明です。

出典「共感の嵐!! 東方害悪古参信者(キモオタ)あるある【東方Project】【東方二次創作】」

なお、原作者のZUN氏は「法律に詳しい方に確認しますね」とツイートしている一方、同作の同人サークル主宰者・ビートまりお氏は先日公開された動画内で「安心できるように大人たちがもう動いている。落ち着いて行動してほしい」と、ファンへ冷静に行動するよう呼び掛けています

『東方Project』は2011年にも第三者による商標登録が出されたトラブルが発生しており(現在は解決済みでZUN氏が商標権を取得)、今回の「ゆっくり茶番劇」商標登録は異議申し立て期間を過ぎた後(商標登録無効裁判は可能)に公表されたこともあってか、ファンならびに動画クリエイター間では波紋を呼んでいます。

本件に関して商標登録の出願を代理した海特許事務所は「皆様に愛されている商標であることを存じておらず、ご迷惑をおかけ致したこと申し分けございませんでした」と謝罪し、「一切の情報提供がなされていないことから残念ながら限られた範囲で周知であることに気付くことができませんでした」と弁明。同事務所の見解として、無効審判では「全国的な周知性がなかったとしても、一地域で周知商標であったことを主張する(同項第10号)、混同を生じる可能性(同項第15号)、不正の目的(同項第19号)で争われるのではないか」と予想しており、それに対してどう関わるかは、商標権者の考えをまだ確認していないことを説明しました。

ちなみに柚葉氏が所属するライバーコミュニティCoyu.Liveは、同氏に対して警告処分を出したことを明らかにしました。一方、ニコニコ動画代表の栗田穣崇氏はドワンゴ法務部と協議し、5月21日までにニコニコとしての公式見解を発表するとしています。

またGame*Spark編集部では、柚葉氏がTwitterのプロフィール上でUUUMが展開するクリエイターサポートプラットフォーム「UUUM CREAS」を実際のUUUM所属であるかのように利用したことについて(現在記述は削除済み、記載が確認できる2022年5月15日14:13時点でのWeb魚拓はこちら)、同社へ「このような利用に対して当該人物に何らかのペナルティを課す可能性」はあるのかコメントを求めています。


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《ケシノ@Game*Spark》

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