崖っぷちのenishは『ゆるキャン△』で黒字化を実現できるか?【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

崖っぷちのenishは『ゆるキャン△』で黒字化を実現できるか?【ゲーム企業の決算を読む】

enishが正念場を迎えています。

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enishが正念場を迎えています。

2022年11月25日に『ゆるキャン△』初のスマートフォン専用ゲーム『ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!』のリリース延期を発表しました。当初の2022年秋から2023年春へ変更しています。これを受けてenishの株価は急落。11月24日の終値510円から25日は一時441円まで19.4%下がりました。その後も売りが先行して12月26日は339円をつけています。

市場はネガティブに捉えているものの、今回の延期がプレイ環境の向上につながるのであれば歓迎すべき。2015年12月期から一度も利益を出していないenishは何としてでも『ゆるキャン△』をヒットさせ、息の長いファンを獲得しなければなりません。

目先の株価よりも中期的な収益性の改善が必須です。

他社IPの活用で効率よく稼ぐ方針に転換

モバイルゲームを開発するenishは、『ぼくのレストラン2』や『ガルショ☆』のヒットで知られる会社。

2022年12月期第3四半期の売上高は前年同期間比2.8%増の32億5,600万円、1億3,800万円の営業損失(前年同期間は8,900万円の営業利益)を計上しました。『ゆるキャン△』の延期により、2022年12月期通期の赤字はほぼ間違いないものと考えられます。そうなると、8期連続の赤字です。

液晶パネルのジャパンディスプレイが2022年3月期に8期連続の赤字を出しました。iPhoneなどが液晶パネルから有機ELへの転換を進めるなど、事業環境の変化がジャパンディスプレイの業績に大きく影響しています。

ゲームのように市場が旺盛に拡大している業界において、8期連続(実績で7期連続)赤字という会社はあまり目にしません。

決算短信より

enishは2022年1月にイギリスの金融グループ、バークレイズに対して新株予約権を割り当て、12億6,200万円を調達しました。enishは主に機関投資家に株式や新株予約権を発行して延命している状態です。もし、上場していなければ、倒産していてもおかしくはありません。

ただし、ゾンビ企業と言われるような延命措置だけを続けてきたわけではありません。enishは2018年12月期に売上高が前期比24.3%増と大幅に伸びました。このときリリースしたのが、『欅のキセキ』。このころから、他社IPを積極的に活用したゲーム開発を行うようになります。

その後、『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。』や『彼女、お借りします ヒロインオールスターズ』、『進撃の巨人 Brave Order』など、人気タイトルのゲーム化を進めました。


《不破聡》

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