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「AIと著作権に関する考え方」を文化庁が公表―懸念解消を求める声に応え

公表内容は現時点で検討された「考え方」であり、法的な拘束力を有するものではありません。

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「AIと著作権に関する考え方」を文化庁が公表―懸念解消を求める声に応え
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文化庁は2024年4月18日、文化審議会著作権分科会法制度小委員会が3月15日付けで取りまとめた、AIと著作権に関する考え方について(以下、「考え方」)の概要を公表しています。

2017年に早稲田大学法学部教授の上野達弘氏は「日本は機械学習パラダイスだ」と提言し、実際のところ近年の急速な生成AIの発展・普及にAIと著作権の関係を直接的に取り扱った判例や裁判例がいまだ乏しい状態です。「考え方」は、懸念解消を求める声に応えるべく“現行の著作権法がAIとの関係でどのように適用されるか”有識者からなる審議会で検討した内容をまとめたものとなっています。

「考え方」概要ではAIと著作権についての基本的な考え方を

・「AI開発・学習段階」
・「生成・利用段階」
・AI生成物(AIが生成したコンテンツ)が「著作物」に当たるか

という3つの観点を主に検討しており

・“作風”の模倣および、特定のクリエイターを狙い撃ちしたAI学習
・海賊版コンテンツを掲載していると知りながら該当サイトで学習データの収集を行った場合
・人間が、AI生成物に創作的表現といえるような加筆・修正を加えた場合は、通常、加筆・修正部分については著作物性が認められ、「AI生成物」=著作物に該当する/しない

上記のような様々なケースを挙げ、現行の著作権法に抵触するか否か、責任の所在はAI利用者なのかAI開発等を行う事業者にあるのか?などを解説しています。

人間による創作活動なしに生成AIの発展は不可能である

生成AIと著作権に関する「今後に向けた展望」としては、生成AIの技術は人間による創作活動あってこそで、それなしに生成AI技術の持続的な発展は不可能であるとし「法律論のみではなく、実際に生成AIに関わるクリエイター等の権利者や、AI開発事業者・AIサービス提供事業者・AI利用者といった関係当事者の間で、適切なコミュニケーションが図られること」が重要であり、「共創の関係」の実現が望まれるとしています。

最後に今回公表された内容は、あくまで現時点でのAIと著作権に関する審議会としての考え方をまとめたものであり、法的な拘束力を有するものではありません。引き続き情報の把握・収集に努め「考え方」の見直し等の必要な検討を行っていくとしています。また、より正確な内容は「考え方」本体をご覧ください。


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