【レポート】「日本におけるeスポーツの夜明け」を目指して─AMDが「闘会議」に賞金1,000万円を拠出すると発表 | GameBusiness.jp

【レポート】「日本におけるeスポーツの夜明け」を目指して─AMDが「闘会議」に賞金1,000万円を拠出すると発表

企業動向 発表

【レポート】「日本におけるeスポーツの夜明け」を目指して─AMDが「闘会議」に賞金1,000万円を拠出すると発表
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一般社団法人デジタルメディア協会(AMD)は、日本のeスポーツ振興への取り組みに関する発表会を実施しました。

インターネット配信を通じ、全世界で3億8千万人もの視聴者が熱い戦いぶりを観戦し、大会賞金総額も20億円を突破するなど、現在、最も注目度の高い新しい競技として関心が集まっている「eスポーツ」。

しかし日本では、賞金付き大会が開催できないなどの理由から、eスポーツ先進国と比べて大きく出遅れているという現状があります。日本でのeスポーツ振興・発展に取り組んでいるAMDは、この状況を打開する取り組みを行っており、今後の展開について語る発表会「日本eスポーツの夜明け」が開催されました。


まずは、AMD理事長を務める襟川恵子氏が登壇。eスポーツの歩みや現状などに触れ、海外では巨額の賞金が出る大会が行われていること、1億円を稼ぐようなプレイヤーが出ている点などを語ります。その一方で、日本では大きな賞金を出す大会を行えないため、国内の選手がプロとして生計を立てるのは難しいと指摘。

この現状を打破するため関連各所や政治関係者に対して働きかけを行った結果、まずは第一歩として、2018年2月に幕張で開催される「闘会議」に、AMDが1,000万円の賞金を拠出すると発表しました。そして、「スピード感を持って社会に役立つ貢献をしていきたい」と述べます。


続いて、NPO法人日本シミュレーション&ゲーミング学会会長の鐘ヶ江秀彦氏が壇上に立ち、技術進歩による21世紀の経済成長から話を切り出しました。近い将来、ロボットやAIが仕事に従事する割合が増加することで「雇用なき爆発的な経済成長」を迎えるとし、産業が大きく変わる時代だと図を交えて解説します。


労働時間の短縮・効率化が進むことで働き方に革命が訪れ、シェアード・エコノミーとベーシック・インカムが導入されることで、労働から解放。その流れから、余暇を活用するゲーム社会への至り、「eスポーツ」発展に繋がるとの未来予測を語ります。しかしゲーム社会へ移行するには、日本では規制緩和が必要不可欠とのこと。


eスポーツの盛り上がりを「プレイしている人が賞賛を受ける時代」と捉える鐘ヶ江氏は、多くのスポーツ観戦と同様に、自身がゲームをプレイしていなくても見ているだけで楽しいコンテンツとして、新たな産業が創出できるとの考えを示しました。


公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会CFO企画財務局長の中村英正氏は、国境や男女、人種といった様々な枠組みの中で競い合い、それぞれのアスリートが切磋琢磨し、終わった後はひとつになれる構造が、オリンピック・パラリンピックにあると説明。そして、この主旨は「eスポーツ」とも共通しており、「eスポーツが社会を変える」と力強い言葉を残します。


慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏は、日本の産業文化の躍進に尽力しており、「ゲーム産業も(日本の産業文化の)ひとつ」と認識し、eスポーツにも大きな期待を寄せていると発言。しかし日本は、eスポーツ先進国と比べ大きく出遅れているため、「規制とプロ化が課題」と語り、いかにこの2点を乗り越えられるかが鍵になると指摘します。そして、認知度の向上も重要と語り、「来年を“日本のeスポーツ元年”にしたい」と述べました。


Gzブレイン代表取締役社長の浜村弘一氏も壇上に姿を現し、「色んな説があるんですが」と前置きしつつ、eスポーツの未来予測の成長率について「毎年10%以上伸びている」と、更にその市場が広がると切り出します。


eスポーツ市場規模のカテゴリ内訳を図として提示し、その大半を「スポンサー&広告収入」が占めていると解説。「興業」から「放送コンテンツ」に発展することで、更なる飛躍が見込める近い未来を想像させます。


また、これまでのeスポーツは、「プロゲーマー」「アマチュアのゲーム競技プレイヤー」「一般プレイヤー」の3層で成り立っていると説明し、新たに「ゲームプレイを観戦するノンゲームプレイヤー」を獲得することで、更なる活性化を見解を示しました。


最後に登壇したのは、AMD顧問弁護士の森本紘章氏。他の方と同様に森本氏も、国内でeスポーツが発展するには法規制が必要と明言します。「風俗営業法」「景品表示法」「賭博及び富くじに関する罪」の3つが壁になっていると説明する一方で、「今の段階では、ほぼ解決できた」とコメント。この問題点をクリアしたことで、「闘会議」への賞金拠出に繋がった模様です。

ほかのスポーツと同様に「選手がプロとして賞金を受け取れること」、そして見ている観客も含めて「法律に違反しないよう安全に楽しめること」、そういった社会にしたいとの姿勢を示して締めくくりました。


その後、質疑応答の時間が設けられ、各メディアからの質問に襟川氏らが返答。今後の大会でもAMDが賞金を拠出するのかと問われると、闘会議に対しての拠出は「最初の突破口」とし、今後は各企業などに協力を仰いで進めていきたいと説明します。

また、プロゲーマーとアマチュアの違いについても問われ、実績などを目安とする考え方を明かすと共に、プロでなければ賞金が受け取れないこと、プロにならないアマチュアには賞金ではなく適切な賞品を贈るといった対応を考えていると発言しました。


eスポーツが発展することで、ゲーム市場に大きな影響を与えることは間違いありません。その一方で、諸外国と比べて大きく遅れている分野なのも事実です。この現状に対して、AMDの働きかけがどのような結果に繋がるのか、そして文字通りの「日本eスポーツの夜明け」を迎えることができるのか、期待と共に注目していきましょう。

《臥待 弦@インサイド》

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