オンラインゲームにおけるハラスメントの放置はビジネス的損失をもたらす―米団体が無料レポート公開 | GameBusiness.jp

オンラインゲームにおけるハラスメントの放置はビジネス的損失をもたらす―米団体が無料レポート公開

多くのゲームメーカーの現状を鑑みて、倫理的な観点のみならず収益的な観点からも安全性の確保は優先事項であると提唱しています。

市場 調査
オンラインゲームにおけるハラスメントの放置はビジネス的損失をもたらす―米団体が無料レポート公開
  • オンラインゲームにおけるハラスメントの放置はビジネス的損失をもたらす―米団体が無料レポート公開

ゲームコミュニティのメンタルヘルス問題に取り組む米非営利団体Take Thisは、アメリカのデータ会社ニールセンがまとめたオンラインゲームにおけるヘイトやハラスメントに関するレポート「TOXICITY AND THE BOTTOM LINE」を公開しました。

レポートは、ゲームのコミュニティスペースでとびかうヘイトやハラスメントがプレイヤーのリテンション、ゲーム内課金にどのような影響をおよぼすかを調査したものです。オンラインゲームの施策や取り組みが決められる際は収益の有無・大きさに基づく議論が不可欠であることを鑑み、「ハラスメントを放置することが、いかに収益の減少につながるか」という観点でまとめられています。

調査の対象となったのは、年齢や性別を問わないアクティブなゲーマーのサンプルとして募集された2,408人のプレイヤーです。

聞き取りを行うと、4人に3人のプレイヤーがゲーム内でヘイトやハラスメントの危険にさらされず、安全であることが重要だと回答。男性の70%、女性の83%におよび、性別を問わず若い層ほど安全性を重視しています。

また、性別を問わず10人に1人のプレイヤーがオンラインゲームを遊んでいて「やや危険」、「非常に危険」と感じていると回答。年齢別に見ると、18~24歳の層は若年層や年配層よりも「安全性が低い」と回答する傾向にあります。人種・民族別に見るとアジア系(18%)と黒人(16%)のプレイヤーが、また性的指向別に見ると、バイセクシュアルのプレイヤーの23%が危険を感じています。

さらに、プレイヤーの5人に1人がヘイトやハラスメントのためにゲームそのものから離脱したり、そのゲームでの出費を減らしていると回答。年齢別、性別で見ると、18歳~24歳の男性プレイヤーにこの傾向がもっとも強く見られました。

本レポートは最後に「ゲームでヘイトやハラスメントにさらされない安全・健全性を保つことは、倫理的な観点のみならず、収益的な観点からも優先されます。多くのゲームメーカーはビジネス的な事例を示すことなく構造的な変革や新たな取り組みを始めるのが難しいかもしれません。このレポートが、より安全な地域社会、より収益性の高い地域社会へと向かっていく一助となることを願います。誰も安全ではないと感じる場所で過ごしたくはないのです」とまとめています。

《蚩尤》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら